第2回WHOグローバルフォーラム:高齢者のためのイノベーション (2015年10月7日~9日 神戸)
レポート

2015年12月11日

WHO神戸センター(WKC)は、「 第2回WHOグローバルフォーラム: 高齢者のためのイノベーション」のレポートを発表しました。今回のフォーラムは、高齢者とイノベーションに関する保健や社会に関する進行中の問題や新課題について、情報共有、協議、さらには新たな思考を引き出すことを目的にWKCが2013年に構築したプラットフォームを基盤に開催されました。「 Imagine Tomorrow - 明日を見据えて」をテーマに、人口の高齢化が進む世界各国の制度や地域社会、技術の変革について討議が行われ、その成果は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)、持続可能な開発目標(SDGs)の達成にあたり時宜を得た内容となりました。

背景

初回フォーラムから約2年を経た2015年10月7日~9日、WHO神戸センターは、「第2回WHOグローバルフォーラム:高齢者のためのイノベーション」を神戸にて開催しました。24カ国から212名が参加、人口の高齢化が進む世界各国における制度やコミュニティ、技術の変容についての展望、討議が行われました。3日間にわたるフォーラムでは、政策立案者、行政、学界、研究機関からの出席者、資金提供者、公衆衛生の専門家、市民社会や民間セクターのイノベーター、そして、当事者たる高齢者など、幅広い方面から参集した関係者が、世界の高齢者に資する社会的・技術的イノベーションに着目、その向上を目指すための協議を繰り広げました。

また、今回のフォーラムのテーマ、「Imagine Tomorrow – 明日を見据える」に沿って、実践的な知識やWHOの最新データについて発表、報告が行われたほか、健康な高齢化のためのイノベーションを念頭に、高齢者の健康及び身体的・精神的福利に関心を寄せる多様な関係者のネットワークによる交流の場が創出されました。

成果

「Imagine Tomorrow – 明日を見据える」と題した「第2回WHOグローバルフォーラム:高齢者のためのイノベーション」のレポート(スタティック・インタラクティブの2版)は、フォーラム会期中、現況を省みつつ望ましい将来への道筋を模索する中で協議検討された見解、提案、経験、葛藤などをとりまとめたものです。目指すべくは、高齢者がそれぞれの暮らすコミュニティの中で年齢を重ね、一般社会への参加を継続し、社会での役割を担い続けることが叶うようにするための、ひと主体かつ 統合的な医療・サポート制度の実現です。イノベーションの理念のもと、本グローバルフォーラムでは、参加者が互いにつながりを築き対話を持つためのプラットフォームを提供、これにより、世界の優先課題であるさまざまな環境に暮らす高齢者の生活の向上に寄与する解決策を共有する機会が生まれました。

レポートは、機会の制限につながる高齢者に対する既成概念の打破、エイジング・イン・プレイス*(*高齢者が住み慣れた地域で生きがいや尊厳を保ち、活動的で有意義な人生を送るライフスタイル・コンセプト)に関する実話、エイジング・イン・プレイス実現のための「5つの“P”」などを取り上げるとともに、医療サービス・ケアを誰もがどこでも確実に利用可能にすることの必要性が繰り返し強調されました。本レポートは、討議内容に加え、グローバルフォーラムが提供したイノベーティブかつ参加型の形式をインタラクティブかつ対話式アプローチで描写することを通じて、高齢者を囲んだ一連の対話として綴ったものです。

今後の展望

「第2回WHOグローバルフォーラム:高齢者のためのイノベーション」は、持続可能な開発目標 2016~2030年、及び、WHO「高齢化と健康に関するワールド・レポート」(WHO, 2015) の発表からほどなくの開催となりました。地域社会に暮らす高齢者にできる限り寄り添った形で、今後いかに、保健制度が、また保健セクターと他の社会セクターが、協調して医療・ケアサービスを提供できるよう変革が可能か。本フォーラムは、この課題への継続的な取り組みについて掘り下げる契機となりました。今求められているのは具体策です。

WHOならびにWHO神戸センターは、本レポートに盛り込まれた情報や教訓、研究成果、洞察や疑問などを共有することを通して、「明日を創る」ため、高齢者に寄与する社会的・技術的イノベーションの向上を目指します。