日本における徒歩通学と小児肥満予防の関連性

2012年11月

WHO神戸センターは、日本における徒歩通学と小児肥満の関連について調査し、学術論文を American Journal of Public Health に発表しました。本論文において、日本における徒歩通学が小児肥満予防につながったと結論づけ、各国ならびに各自治体において有用な教訓であると提案しました。

徒歩や自転車での通学は学童期の重要な運動手段です。昨今、先進国を中心に小児肥満予防の観点から徒歩通学を推進する動きがみられます。一方、日本では他の先進国に比べ、徒歩や自転車での通学が非常に高い率 (98.3%) で行われている現状があり、このような徒歩通学は1953年より実施されています。

日本では各自治体において、教育委員会が個別に存在し、公立小学校および中学校を管轄しています。これらの教育委員会は独自に地理、天候、交通の状況を考慮し、個々の通学方法を決定します。都市部においては、ほとんどの小中学校が徒歩圏内にあるため、徒歩通学が一般的な通学方法となっています。その地区の特徴によってさまざまな安全対策が取られており、保護者、学校職員、自治体ボランティアなどが通学の際に監督を行っている様子も多く見受けられます。

徒歩通学が運動習慣をもたらすことから、小児肥満の予防につながったと考えられます。これから徒歩通学の推進を考える各国の自治体への提言として、(1)徒歩通学の取組みの基盤を作るために、既存の学校ネットワークを活かし、日本で行われているような (教育委員会など) 地方組織の管轄によるものへと組み換えること (2) 安全対策を確立すること (3) 地域の特性によって臨機応変に対応することを挙げました。

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関連リンク

  • The American Journal of Public Health

    "Walking to School in Japan and Childhood Obesity Prevention: New Lessons From an Old Policy"; Nagisa Mori, Francisco Armada, D. Craig Willcox.

    American Journal of Public Health: November 2012, Vol. 102, No. 11: 2068–2073.