“エイジズム(年齢差別)に立ち向かおう”クイズ

1 『高齢者はみんな同じだ』

人は年を重ねるほどに個人差は大きくなり、多様化するので、「典型的な高齢者」は存在しません。ステレオタイプとは、ある集団に属する人々がすべて同じであると捉える先入観のことです。年齢にもとづくステレオタイプも含めて、こうした考え方は誤っています。

2 『年を取れば、健康は損なわれるものだ』

年を重ねることで、ほとんどの人が何らかの健康上の問題を経験するものですが、年齢に応じて疾患や障害が起こるとは限りません。高齢者の健康や能力には非常に幅があり、それは暦上の年齢によって決まるものではありません。年齢が80歳であっても精神的/肉体的に30歳の人に引けを取らない人もいるのです。

3 『高齢者とは60歳以上の人のことである』

エイジング(加齢)とは、人生にわたって進行する人間の成長過程の一部です。ある年齢に達したら突然高齢者になるというわけではありません。しかしながら、人々の実際の能力を評価せずに、「高齢」であるという理由だけで、退職時期や、特定の保健医療サービスへのアクセス、運転免許資格などが決められてしまっています。

4 『加齢に対する態度が自分の健康に影響することはない』

年をとることに対して否定的な態度をとることが健康や寿命に深刻な影響を与える可能性があります。加齢に対して否定的な態度の高齢者は、そうでない人に比べて平均で7年半も早死にするという研究報告も出ています。(「加齢を肯定的に受け入れることが寿命を延ばす」Levy BRら:人格・社会心理学雑誌(Journal of Personality and Social Psychology)83号(261~270頁) 2002年発行 に掲載)

5 『加齢は良い人生における「障害」であり、打ち勝たなければならない』

多くの人が年をとることを「問題」だと考えていますが、年をとることには多くの利点があるのです。例えば、年齢を重ねる中で、人は自分をよく知るようになり、自制心が養われ、安定した人間関係が育まれ、社会性や情緒が豊かになります。しかしながら、加齢への恐怖は、加齢による変化への対処をとても難しくします。加齢に対する否定的な態度をとることは自己評価を傷つけ、様々な機会と将来性を奪い、 コミュニティから孤立させ、そして事実、寿命を縮めるのです。

6 『高齢者は保健システム、経済の金食い虫である』

高齢者は社会に対して大きな貢献を果たしているのですが、あまり認識されていません。子育てを手伝ったり、コミュニティのつながりを強くしたり、子供や孫に経済的支援をしたり、といった貢献は、世界中で広く見られます。英国の研究では、高齢者の納税や消費による経済貢献は、年金の支払いや保健・福祉サービスの提供のための支出よりも500億ドル以上のプラスの価値があるという結果が示されています。(「英国高齢者の社会的・経済的貢献」Cook J :高齢者と共に働く(Working with Older People) 15号(141-146頁) 2011年発行 に掲載)

7 『エイジズム(年齢差別)とは、年齢を理由に高齢者に対して否定的な態度をとったり、差別することである』 

エイジズム(年齢差別)は年齢を理由に、否定的なステレオタイプや差別、偏見を持つことです。誰にでも影響を及ぼしますが、特に高齢者へ大きく影響します。年齢差別は政策やサービスに反映され、その結果として高齢者に悪影響が及ぶのです。この状況を理解し、年齢差別に立ち向かうことが世界をエイジ・フレンドリーにする第一歩です。

8 『自分が年齢差別をしても、そのことに気がつかないことがある』

私たちは日常の生活の中で、高齢者や加齢に対して自分が否定的な態度をとっていることに気がついていません。しかし、世界57カ国で行った調査では、60%の人々が「高齢者は尊敬されていないと感じる」と回答しました。(World Values Survey 2010-2014)
否定的な態度は、実のところ日常茶飯事なのです。メディアは高齢者を「愛すべきだが、物忘れしやすい」とのステレオタイプにはめ、私たちは「年齢より若く見えますね」とお世辞を言い合うものの、裏を返せば、「年をとることは良くない」と言っているようなものです。
まずは、自分自身の高齢者や加齢に対する否定的な態度をよく認識すること。それが年齢を重ねることで生まれる利益を理解する第一歩になります。

9 『私達は、エイジズム(年齢差別)に立ち向かうことができる』

自分の態度を変えることは誰にでもできます。そして以下の3点の簡単なことから始められます。
1. 意識:重要な出発点は加齢や高齢者に対する自分自身の態度や偏見をよく認識すること。
2. 行動:私たちの周りにある年齢差別的な態度に注意を払い、改善しよう。
3. 人とのつながり:あらゆる年齢層の人々と交流しよう。全ての年齢層に公平な社会には、世代間の協調が必要。